2008年10月16日

植垣康博著『兵士たちの連合赤軍』

なかば連合赤軍の本はもういいだろうと思いつつも読み始めたのだが、じつに引きこまれる内容だった。赤軍派側の「兵士」の視点は、僕がこれまでに読んだ本にはなかったもので新鮮だったし、それ以上に、あの時代を生きた若者の青春の書としての魅力がある。

2段組みで400ページ近くという相当の分量の本書の前半は、「連合赤軍」とは直接関係のない内容で、著者の子ども時代、学生運動家の時代、連合赤軍以前の赤軍派の「兵士」として銀号強盗やダイナマイト窃取などの非合法活動に従事した時代などが生き生きと語られる。独立独歩の性格の少年が、親や学校に反発しつつ自分の生き方を模索し、時代の流れのなかで学生運動に身を投じていく過程は青春小説のようだし、非合法活動に明け暮れる日々はピカレスクロマンのようである。

その後、山岳ベースへ移動し、革命左派と合流するのだが、そこで革命左派の女性「大槻さん」と恋に落ちる。そのあたりまでは明るい雰囲気があるのだが、やがて総括につぐ総括で、死人が続出していく。著者も、友情をはぐくんだ同志や大槻さんに対しても総括を求めざるを得ない状況に追い込まれていく。

革命左派の人たちの本と比較すると、自己批判や総括に肉体的暴力を持ち込んでいったことについて、森恒夫(赤軍トップ)の責任がより大きく感じられ、永田洋子(革命左派トップ)の責任は小さく感じられる。著者が赤軍メンバーだったため、森恒夫の声のほうがより大きく響いたということなのかもしれない。

森恒夫が山岳ベースで暴力性を発揮していく背景には、革命左派という他党派との合同において主導権を握るためにより先鋭的であろうとする心理があったことも見てとれる。

それにも関わらず、著者の森恒夫に対する信頼感が大きかったというのが少し意外に感じられた。森恒夫の弁舌は圧倒的であったらしい。冷静に考えれば非論理的であったり恣意的であったりするのだが、もっともらしい弁舌と強い押し出しで、人を従わせる力があったようだ。著者らが山越えして逃走する途中、ラジオのニュースで森・永田の逮捕を知るのだが、それにショックを受け、泣きだすメンバーもいたという。あれこれ不満を覚えつつも、森恒夫に対しては絶対的な信頼感があったのだ。

もう一つ感じることは、殺害された人を含む、幹部ではないメンバー自身の責任。総括を指示するのは幹部だが、その総括を命じられたメンバーに対して、他のメンバーも積極的に暴力をふるっているのだ。山岳ベース以前に殺害された二人や、山岳ベースで早い段階で殺害された人たちを別にすれば、のちに殺害されるメンバーも、他の人の殺害に参加している。著者も、心の中では暴力に疑問や抵抗を感じつつも、それを克服することが「革命戦士」として強くなるために必要なことという思いで積極的に同志のリンチや処刑に関わっているのだ。

著者は、あさま山荘籠城の直前に軽井沢駅で逮捕され、27年に及ぶ獄中生活を送ったのち1998年に出所。現在は、出身地である静岡でスナック「バロン」を営んでいるそうだ。ちなみに、この「バロン」という名前は、赤軍、連合赤軍時代を通じての著者のあだ名。漫画家バロン吉元の「昭和柔侠伝」の登場人物に著者が似ていることから付けられたという。
posted by kunio at 06:35| Comment(5) | TrackBack(0) | 新左翼
この記事へのコメント
静岡の知人がこのスナック「バロン」に何度か行ったことがあるそうです。

関係者が常連になっているそうです、今度行こうと誘われていますが遠いです。
Posted by HAL at 2008年10月16日 21:46
本からもうかがえますが、植垣氏はとてもエネルギッシュな方のようですね。「関係者が常連」という中に入っていくのはちょっと勇気がいりそうです。
Posted by kunio at 2008年10月16日 23:39
こんにちは。いつも連赤関連のときばかりコメントさせていただいてますが、kunioさんの日記は目線が自分と似ている気がして興味深いです。連赤については身近に話ができるような知人がいないので、ついついコメントしてしまいます。すみません。
『兵士たちのー』連合赤軍の本になかば辟易しながらも、引き込まれた気持ちわかります。作者はなかなか魅力的な人物らしいですよね。
山本直樹の『レッド』という漫画にも、その辺がリアルに描かれていて、面白いです。『レッド2』の押井守氏と作者との対談での押井氏のコメントもよかったです。
あ、また連赤本を薦めてしまいました。ごめんなさい。
Posted by おか at 2008年10月17日 10:25
おかさん、いつもコメントありがとうございます。いつまでも連合赤軍の本を読んでいてどうするんだという気持ちがある反面、読む本ごとに新しい視点の発見があって、引きこまれてしまいます。
購入している本の傾向からか、アマゾンにアクセスするといつも山本直樹の『レッド』を薦められるのですが、おかさんはこれも読まれたのですね。読んでみようかなあ。いまはパトリシア・スタインホフ『死へのイデオロギー 日本赤軍派』を読んでいるところです。
中島みゆき風にいうと「レッドライト 連合赤軍をめぐる旅はまだ終わらない」という感じです。
Posted by kunio at 2008年10月17日 11:00
突然で、私は、は彼女が私からだんだん遠くて、急にの感覚があります。どんなに恐ろしい感覚!私は地べたで倒れて、考えていて、これは結末で、すべて終わりました。彼女はこちらを言い出していないで彼女行く勢力のある人の名前を離れます;実は彼女はもしかするとかつて抜け出して彼女に対してブランドコピーの恐れ(この夫を失うことがないから言って父で、貴兄で、完全な家庭)で、この恐れは甚だしきに至っては彼女のすべての偉大な志を圧倒します。何度も、私は意識は少しも家を持ち帰らなくて、あのような女の常にあるヒステリーのが目まいがするのではありません。私は倒れて、両目の1が黒くて、私は死にそうで落ちたようです。
Posted by ブランドコピー at 2013年11月22日 14:54
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