2015年06月02日

『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』水村美苗著、ちくま文庫

水村美苗著『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』(ちくま文庫)読了。面白かったし、蒙を啓かれるところ多かった。海外生活の長い女性作家による日本語論、という外部情報だけから、超復古的トンデモ本的に仕分けてしまうかたもいるかもしれないが、けしてそのたぐいではなく、時間的にも空間的にも広く深く言語・言葉のありかたについて考察した、理性的で説得力のある内容。

本書のなかでは小さな枝葉の記述だが、ひとつハッとさせられた箇所があった。370ページの「当用漢字」についてのくだりだ。いま、ライター、記者、公務として文章を書く人などはみな、使用する漢字については「常用漢字」を意識しているはずだが、「常用漢字」の前は「当用漢字」というものがあって、僕が子供のころはそれを習った。この「当用」の意味が、「漢字の全面的な廃止が政府決定されるまでのあいだ、当面使用される漢字」ということだったというのだ。

恐ろしや恐ろしや。
posted by kunio at 19:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・文学
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